電子帳簿保存法(電帳法)とは?
電子帳簿保存法(以下、電帳法)は、国税関係の帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律です。2024年1月から、電子取引データの電子保存が完全義務化されました。
🔔 2024年1月からの重要変更
メールやLINEで受け取った請求書・領収書を「紙に印刷して保存」することは、原則として認められなくなりました。電子データのまま保存する必要があります。
一人親方にとって特に重要な3点
- 電子取引データの保存義務:メールやLINEで受け取った請求書は電子データで保存
- スキャナ保存制度:紙の領収書も電子データ化して保存可能
- 検索機能の実装:取引年月日、金額、取引先名で検索できるようにする
なぜ電帳法対応が必須なのか
電帳法対応を怠ると、以下のリスクがあります:
- 青色申告の承認取消:最大65万円の控除が受けられなくなる
- 推計課税:税務署が売上・経費を推定し、追徴課税される可能性
- 税務調査での指摘:領収書が証拠として認められず、経費否認
「2024年の税務調査で、電帳法違反により経費300万円が否認され、追徴税額が約100万円に達したケースが報告されています」(国税庁レポートより)
電帳法の3つの保存要件
1. 真実性の確保(改ざん防止)
以下のいずれかの措置が必要です:
| 措置 | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| タイムスタンプ付与 | 受領後2ヶ月+7営業日以内にタイムスタンプを付与 | 中(専用ツール必要) |
| 訂正削除の記録 | 訂正・削除の履歴を残すシステムを導入 | 高(システム開発) |
| 事務処理規程の制定 | 社内ルールを文書化し、遵守する | 低(テンプレート利用可) |
💡 親方スキャナーの場合
LINEで送信した瞬間に、時刻認証局(TSA)認定のタイムスタンプが自動付与されます。ユーザー側での作業は一切不要です。
2. 可視性の確保(検索機能)
以下の3つの検索条件を満たす必要があります:
- 取引年月日:「2024年4月15日」などで検索可能
- 取引金額:「50,000円以上」などで絞り込み可能
- 取引先名:「〇〇建設」などで検索可能
範囲指定検索も必須:「2024年4月1日〜2024年6月30日」「10,000円以上100,000円以下」など
3. 見読性の確保(ディスプレイ表示・印刷)
税務調査時に、速やかに画面表示・印刷できる状態で保存する必要があります。
タイムスタンプの詳細解説
タイムスタンプとは?
タイムスタンプは、「いつ、そのデータが存在したか」を証明する電子的な印章です。時刻認証局(TSA)が発行します。
付与期限の具体例
- 例1:4月15日に領収書受領 → 6月22日(2ヶ月後の月末)+ 7営業日 = 7月3日までに付与
- 例2:1月31日に請求書受領 → 3月31日 + 7営業日 = 4月9日までに付与
タイムスタンプ不要のケース
以下のいずれかに該当する場合、タイムスタンプは不要です:
- 訂正削除の履歴を残すシステムを使用している
- 事務処理規程を制定し、遵守している
検索機能の実装方法
3つの検索方法
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 専用ツール | ・自動で検索機能を実装 ・タイムスタンプも自動付与 |
・月額費用(500円〜3,000円) |
| Excelで管理 | ・無料 ・慣れたツール |
・手作業でデータ入力 ・検索が煩雑 |
| 紙の索引簿 | ・ITスキル不要 | ・検索に時間がかかる ・紛失リスク |
よくある電帳法違反のパターン
1. 電子取引を紙で保存
NG例:メールで受け取った請求書を印刷して、紙ファイルに保存
正解:PDFのまま保存し、検索できる状態にする
2. タイムスタンプの期限超過
NG例:4月15日に受領した領収書に、8月1日にタイムスタンプ付与(4ヶ月後)
正解:7月3日までに付与(2ヶ月+7営業日以内)
3. 検索機能がない
NG例:フォルダに「2024年1月」「2024年2月」とPDFを保存しただけ
正解:Excelで台帳を作成し、日付・金額・取引先で絞り込めるようにする
4. ファイル名だけで管理
NG例:「2024-04-15_50000円_ABC建設.pdf」というファイル名で保存
正解:ファイル名に加え、Excel等で検索台帳を作成
違反した場合の罰則
1. 青色申告の承認取消
- 影響:65万円の特別控除が受けられなくなる
- 追徴税額:所得税率20%の場合、約13万円の増税
2. 推計課税
- 影響:税務署が売上・経費を推定して課税
- リスク:実際より高い税額を課される可能性
3. 重加算税
- 税率:追徴税額の35%〜40%
- 例:100万円の追徴 → 重加算税35万円 → 合計135万円の支払い
実践的な導入ステップ
ステップ1:現状把握(所要時間:30分)
- 紙の領収書は何枚/月あるか?
- 電子で受け取る請求書は何件/月あるか?
- 現在の保存方法は?(紙ファイル、PC内フォルダ等)
ステップ2:保存方法の決定(所要時間:1時間)
以下の3つから選択:
- 専用ツール導入(推奨):月額500円〜、全自動
- Excel管理:無料、月5時間の作業時間
- 税理士に丸投げ:月額10,000円〜
ステップ3:実装(所要時間:2時間〜1日)
- 専用ツールの場合:アカウント登録、初期設定
- Excelの場合:検索台帳のテンプレート作成
ステップ4:運用開始
- 毎日または毎週、領収書をデータ化
- 月末に、検索機能の動作確認
📱 親方スキャナーなら、ステップ2〜4が10秒で完了
LINEで友だち追加 → 領収書を撮影して送信 → 完了。検索機能もタイムスタンプも自動で実装されます。
よくある質問(FAQ)は本記事下部をご覧ください
この記事では、電帳法の基本から実践的な導入方法まで解説しました。一人親方の皆さんが、安心して電帳法対応できるよう、親方スキャナーは最もシンプルなツールを提供しています。